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2004年 5月 19日

拷問とes

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アメリカ兵がイラクの刑務所でおこなった拷問は、映画「es」でも有名になった心理実験の結果と酷似しているそうだ。

映画「es」で有名になった実験とは、1971年、米スタンフォード大学心理学部で行われた実験で、普通の人が特殊な肩書きや地位を与えられると、その役割に合わせて行動してしまうことを証明しようとした実験のこと。

新聞広告などで集めたごくごく普通の大学生などを20人を、「看守役」11人と「囚人役」10人の2つの役割にグループ分けし、それぞれの役割を、実際の刑務所に近い設備を作って演じさせたところ、時間が経つに連れ、看守役の被験者はより看守らしく、囚人役の被験者はより囚人らしい行動をとるようになるということが証明された。

ただ、実験は、それだけでは収まらず、次第に看守に分けられたグループがより攻撃的な行動が目立つようになり、囚人に対し侮辱的な発言、暴行が多くなっていったために、一週間経たずに中止に追い込まれ、その後、訴訟沙汰にまで発展することになったという。

つまり、強い権力を与えられた人間と力を持たない人間が、狭い空間で常に一緒にいると、次第に理性の歯止めが利かなくなり、暴走してしまうということだ。しかも、もともとの性格などとは関係なく、役割を与えられただけでそのような状態に陥ってしまうわけ。

今回のイラクでの拷問・虐待事件はまさにこれと同じではないか、とのこと。人は私たちは社会の中で父親、母親、子ども、恋人、社長、社員、先生、生徒、男性、女性・・など、常にに何らかの「役割」を演じているわけだが、少しボタンが掛け違えば、こういった事件が起こる。

「現場の人間が暴走した。」「いや、ラムズフェルドが指示したからだ。」などいろいろなことがいわれている事件ではあるけれど、人間は環境しだいでいつでも暴走しかねない因子を抱えている。こういった事実はしっかり認識しておく必要があるのではないだろうか。


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