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そうそう。GWに弟につきあって、キャシャーンとアップルシードを見てまいりました。
アニメと実写という違いはありますが、どちらもSF系の映画です。
で、評価のほうですが、短的にいってしまえば、アップルシードは上手い人が作った作品、キャシャーンは下手な人が作った作品、ということになるでしょうか。
キャシャーンはご存知、宇多田ヒカルの夫である紀里谷和明の初監督作品だ。話題性は映画公開前から充分にあった。しかし、作品のほうはというと・・・・。
・まず、画像が荒い。スターウォーズ並にロボットをたくさん登場させてはみたものの、戦闘シーンでは画像の荒さをごまかすために、ほぼすべてのシーンで背景をブラしてごまかしていた。それはいかがなものかと・・。
しかも、動きが速すぎて何をしているのかがいまいちわからなかった。実はこれも画像の荒さをごまかそうとしていたのではないかと思われる。映像がウリの映画でこれでは、非常にマズいんじゃあないでしょうか・・・・・。
・音でごまかしていた。話が単調になりがちなタメだろう。ひたすら音楽でごまかしていた感がある。元がミュージックビデオの監督だからそれも仕方がないのだろうけど、派手なアクションの多い戦闘シーンですら、音で引き付けないと見れないとは、かなり厳しい。ちなみに、スティーブン・スピルバーグは「良い映画とは、音楽がなくても見れて、内容がわかる映画だ。」といっていたので、この言葉を彼に贈りたい。
・説教くさい。どういうわけか、ミュージッククリップなどの多少別分野から来た人が、監督をすると、意味もなく説教してしまう傾向がある。この作品もそうだった。戦争が悪い、だとか、人はすぐ殺しあう、だとかいまさらなことをエンエンというよりも、深く心に入ってくるメッセージがほしいところだ。
・長い。とにかく長い映画だった。3時間ぐらい?これは、多分、初監督ということもあってか、他のスタッフが頑張って作った部分を、バッサリ切り落とすことが偲びなかったために、起こった現象かと思われる。映像やゲームなどをつくると、客観的に見て明らかに無駄だとわかっていても、ついつい自分が頑張って作った部分は削りたくなくなってしまうものだ。それは多分、多くの人に共通する心情だとは思う。
でも、それでもあえて、バッサリ無駄な部分は切り落として作品の質を高めるのが監督の仕事というものだろう。キャシャーンの場合、明らかに2時間以内にまとめることが可能な作品だっただけに、1時間近くも引き伸ばしてしまったのは、明らかに監督の実力不足だ。まあ、初監督だから仕方がないのかもしれないが・・・。
てな感じで、キャシャーンは全体的に荒さばかりが目立つ作品だった。他にも突っ込みどころ満載だが、まあ、そこは置いておこう。今後に期待します。
で、一方のアップルシードのほうだが、こちらは割合オーソドックスな話。というか、よくある展開の話だった。だが、随所に映像のすごさを感じ取れる部分がある。しかも、2時間以内でしっかりと話をまとめあげてある。キャシャーンを見た後なだけに、上手さの方が目に付く作品であった。
まあ、でも、興行的には宇多田ヒカルの夫初監督作品という話題性でキャシャーンのほうが圧勝するんだろうなあ。それがなかったオタク系の人しか見に行かなかっただろうし。アップルシードのほうは海外のほうならウケルかもね。まあ、どちらにしても次の作品に期待だ。
(今日の一言)
アップルシードの劇場で、見た目はごくごく普通なのに、ひたすらデビルマンについて語り合っているカップルがいた。非常に気になる。