2004年 5月 30日

「映像の原則」(富野 由悠季・著)から学ぶ人間の心理

投稿者 by d-fan at 11:46 / カテゴリ: BOOK / 0 コメント

映像の原則―ビギナーからプロまでのコンテ主義
富野 由悠季 (著)

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作者はご存知、ガンダムの監督。「機動戦士ガンダム」から始まるガンダムシリーズの製作を行う過程で身につけた演出技術や知識をいろいろと紹介している。



例えば、人は心臓のある左から来るものには警戒心を抱きやすく、右から来るものには割と寛容であるんだそうだ。そのため、演出上、敵キャラは左から登場させ、味方は右側から登場させることが多いらしい。確かにいわれてみれば、吉本興業の新喜劇などは、身内が舞台右側から登場し、外部からやってきた人は舞台左側から登場している。知っている人には当たり前、知らない人には衝撃的な事実だといえるだろう。マーケティングは心理学だ、人間の心理や特性を知らないと今後はやっていけない、という説を唱えている私としては非常にためになる知識だった。


そういえば、マーケティングにも、同じような話がある。例えば、スーパーやショッピングセンターは大抵の場合、左回りに設計されているが、あれは100メートル走とかスピードスケートとかと同じで、人間は心臓のある左側に回りやすく、その逆の右に回ると気持ちが悪くなるため、ああいう風に設計されているのだそうだ。気持ちのいい空間は滞在時間が長くなり、滞在時間が長いと売上が増える、というデータがある。だから、左回りに設計すればそれだけで売り上げがあがるわけだ。

はっきり言って、右回りに設計するのも、左回りに設計するのも基本的に手間は同じ。でも、結果は大きく異なってしまうというわけ。これも、上記の演出技術と同様に、一種の人間の特性を知った上での演出技術ではないかと思うのだが、どうだろうか?

富野氏いわく、「最近はこういった最低限の演出の知識を知らない若手アニメーターが多いため、平気でありえない構図の絵を描いてくる。」ということだそうだが、マーケッターやデザイナーにも同じことが言えるだろう。WEBデザイナーなどははついついFLASHアニメーションなどを使って、とにかくカッコよく、とかやりがちだけれど、それだけではうまくいかない。人間の特性や心理をよく理解した上で、演出や設計を行うこと。これこそが、今後さらに重要性を持つことは間違いないだろう。



(今日の一言)
親父にだってぶたれたことないのにっ!    by アムロ・レイ


(他のブログのガンダム系の記事)
究極のアレンジ!?マンガ版機動戦士ガンダム
ガンダムでビジネスを学ぶ
英語でガンダム語録
ガンダムファン特集のSPA!
機動戦士ガンダム不思議のダンジョン


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ガンダム者―ガンダムを創った男たちシャア専用ポータブルDVDプレーヤー

浜崎あゆみ、柴崎コウに似てる人

投稿者 by d-fan at 11:42 / カテゴリ: BOOK / 0 コメント / 0 TrackBack

新世代ビジネス、知っておきたい四賢人版マーケティングの心得
成毛 真 (著)
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この本の作者は、というかインタビュアーは、元マイクロソフト社長で、現インスパイア社長の、成毛ちゃん(なれなれしい)。

成毛ちゃんといえば、対談などで、「マイクロソフト社長時代にITはもうダメだと思った」などと、ぶっちゃけトークをかます傑物であるが、そんな彼が、軍事の専門家、製造業の専門家、心理学の専門家、元通産省官僚と、マーケティングやビジネス、ものの考え方について、あれこれ語っている内容の本なだけに、非常に面白く、タメになりました。

(成毛眞氏関連の記事)
企業再生について
成毛 眞 氏 講演録(PDF)
リーダーの軌跡(PDF)
成毛眞のIT指南
ITイノベーション−技術革新としてのITのインパクト
株式会社インスパイア訪問


中でも、個人的に、もっとも「へぇ〜」と思ったのは、心理学の専門家で、事業家でもある和田秀樹氏の話。


なんでも、和田氏によると、世の中には、大きく分けて「鬱病型人間」と「分裂病(今は統合失調症?)型人間」の2種類の人間がいるのだそうだ。


鬱病型人間の特徴
・がんばってダメなら自分を責める(自分が主体)
・親分・子分の関係など、濃い人間関係が好き
・論理的・現実的
・堅固なアイデンティティ
・身につけた価値観にこだわる
・首尾一貫・過去にこだわる
・論理や情で説得されると弱い
・経済成長著しい国に多い。日本では団塊の世代の人など。


分裂病型人間の特徴
・ダメだったら運が悪いだけ(他者・周囲が主体)
・不特定他者への同調
・広く浅くの付き合い
・魔術的・被害的
・自分がない
・みんながいいというものがいい
・周囲との同調
・過去との不連続
・カリスマがいうことは信じる
・経済が発展していない国・または成熟化してしまった国に多い特徴。若者世代に多い。

たとえば、すっかりお昼の顔となったみのもんた氏は、「お嬢さん、お嬢さん」といって「情」の部分に訴えかけながら、「赤ワインにはね、ポリフェノールという物質が入っていて健康にとってもいいんです。」といって理屈の部分でも攻めているから、鬱病型人間の多い世代である年配の奥様方の人気を集めているのだそうだ。そして、テレビに出ている有名人でもあり、しかも、うつ分裂病型人間がみんないい、というから分裂病型人間が多い若者世代にも受けているのだそうだ。


なるほど・・・。そうだったのか・・。

この話を聞いて、ようやく最近感じていた疑問が少し解けました。

実は最近、女子高生生などが「目がパッチリしているから、あの人は綺麗だ」「鼻筋が通っているから、あの子は綺麗だ。」という言い方をせず、「あの人は綺麗だ。だって、浜崎あゆみに似ているんだもん。」とか「目が柴咲コウにそっくりだから、あの子は綺麗だ」という言い方をするのが非常に気になっていたのです。いったいどうして、彼女たちは、自分の価値観ではなく、「有名人のそっくりさんが一番綺麗」みたいな言い方をするのだろうか、と。お前たちは、人が良いといえば何でも受け入れてしまうのか、と少し馬鹿にしていました。

しかし、彼女たちは決して馬鹿なのではなく、分裂病型人間の特徴である「自分の中に明確な基準がない」「他人のいいというものが良い」に属する人間だから、「他の人がいいといっている有名人」に似ている人が良いという答え方をしていたわけですね。単なる傾向であり、そういう時代に育っただけのことだったわけです。

ふーむ、なるほど。非常に納得いたしました。勝手に、馬鹿にしていた私のほうが馬鹿でございました。申し訳ないことで・・。

しかし、全く、へぇ〜ボタン連発の事実です。私は年齢的には若者世代のほうに属していますが、多分、鬱病型人間の方に属していることでしょう。

はたして、あなたは自分がどちらのタイプの人間だと思います?鬱病型人間ですか?それとも、分裂病型人間でしょうか?

(今日の一言)
話は変わりますけど、シバサキコウって柴咲コウだったんですね。柴崎コウだとずっと思ってました。


by 僕の見た秩序

2004年 5月 29日

100億稼ぐ男が教える年収1000万越えの仕事術

投稿者 by d-fan at 13:40 / カテゴリ: BOOK / 0 コメント

本屋で

サラリーマンなんか今すぐやめなさい
堀 紘一 (著) 
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という本を見かけた。新刊らしい。まあ、よくある「現状のまま安穏としているな!」ということを、「辞めてしまえ!」という過激な表現で言ってみた本のようだ。でも、つい最近、

会社にいながら年収3000万を実現する―「10万円起業」で金持ちになる方法
和田 秀樹 (著)
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という本を読んでいたので、ちょっと違和感を感じた。だって、どちらの本も「現状のまま安穏としているな!」とは言っているのだが、一方は「辞めろ!」で、一方は「会社にはしがみつけ。絶対辞めるな。」ですからねー。個人的には後者のほうの意見のほうに賛成です。しかし、実にいろいろと人それぞれの言い方があるんだなあ、と思いました。


しかし、とにかく世の中には「年収」とつく名の本が多い。ちょっとアマゾンで調べただけでも、

(年収100万円)
年収100万円でも大丈夫!楽しく元気に暮らす!! 横田 濱夫 (著), 丸山 晴美 (著);
週末ビジネス起業術―会社にいながら年収100万円アップ!   週末ビジネス塾


(年収300万円)
年収300万円時代を生き抜く経済学 森永 卓郎 (著)
続・年収300万円時代を生き抜く経済学 実践編!  森永 卓郎 (著)


(年収1000万円前後)
年収900万円!!ラクラク儲けるインターネット通販―だれでも毎日が給料日 岩上 誠, 遠藤 義昭
1人ビジネスであなたも年収1000万円稼げる!  西田 光弘 (著)
「社労士」になって独立・開業―わずか2年で年収1千万円を稼ぐ!   斎藤 隆浩 (著)
行政書士で笑いがとまらない開業ノウハウ―ゼロからスタートして年収1000万円稼ぐ本 長江 博仁 (著)
小心者の私ができた年収1,200万円獲得法 木戸 一敏 (著)


(年収3000万円)
金持学(かねもちがく)―年収3000万円以上をめざすアナタのための成功哲学  関口 房朗 (著)
こんなにオイシイ!フーゾク起業―年収3000万!1人ビジネスの裏ワザ  月草 志郎 (著)


(その他)
MBAを取って、年収2倍を目指せ!―得するMBA、損するMBA  小松 哲史 (著)
稼げる人稼げない人―ヘッドハンターと日本を代表する22人の上級ビジネスマンが明かす年収を8ケタにするチェックポイント  古田 英明 (編集), 縄文アソシエイツ (編集);

と、いった具合にきりがないほど出てくる。世の中の人がいかに「年収を増やす」ことに興味があるのか価がわかるというものだ。しかも、どうも見ていると、年収1000万円が多くの人にとって憧れであり、現実的な目標であることもわかる。うーむ、なるほど・・・。

業界別平均年収一覧


そうそう、最初に紹介した堀 紘一くんの本のすぐそばに、ライブドア社長の
100億稼ぐ仕事術
堀江 貴文 (著)

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という本もあった。でも、この流れから考えると、「100億」というタイトルはインパクトはあるけれど、多くの人にとっては現実感が伴わない数字なので、ちょっと失敗だと思う。

「100億稼ぐ男が教える年収1000万越えの仕事術」とか、
「100億稼ぐ男が教える年収300万円時代のサバイバル技術」
みたいなタイトルにしとけば、もっと多くの人に売れたのではないだろうか。続編を書くならこんなタイプの本だろう・・・・・・・などとふと思ったりもした。

(インタビュー)
・堀紘一氏のインタビュー
・和田秀樹氏のインタビュー
・堀江貴文氏のインタビュー


(関連記事)
起業のアイデア

(今日の一言)
「夢」は持つこと自体に意味がある。
実現するかどうかを決めるのは「目標」設定の部分である


ベッカムやイルハンみたいなイケメンじゃなくてゴメンなさい。

投稿者 by d-fan at 11:46 / カテゴリ: BOOK / 0 コメント

なぜ美人ばかりが得をするのか
ナンシー エトコフ (著), Nancy Etcoff (原著), 木村 博江 (翻訳)

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背の高い人ほど給与の査定が高くなる傾向がある、というアメリカで行われた調査結果の話を聞いたことがあります。背が高いと、それだけで優秀そうに見え、結果として、評価者が高い点をつけてしまうことがその原因なんだそうです。人間は外見で物事を判断し勝ちだというわかりやすい例。


最近、女性がベッカム様だ、イルハン王子だ、ヨン様だと、フィーバーしまくってる。男が、きれいな女性に興味を持つのは昔からのことだけど、女性も外見重視の時代となったわけだ。いや、昔から重視していたけど、それをあからさまに公言できる時代となったというべきか。とにかく、性格がどうの将来性がどうの、という話以前の問題として、人が外見だけでその人のイメージを膨らませ、熱狂することができるという例だ。


この本を読めば、なぜ、人は外見で物事を判断しがちなのかが、ちょっとだけ理解できる。なにせ、人は赤ちゃんの時点で、相手が美人かそうじゃないかがすでに識別できるってんですから。まったくショックであります。そりゃあ、熱狂もするわな、って感じです。

しかし、まあ、ますます美形じゃない人には厳しい時代になりつつあるわけだ。僕も整形でもして、外見変えた方がいいのかしら?


(今日の一言)
美の基準は、時代や場所によって大きく変わる。南のほうの国では、細身の女性よりも、太っている女性のほうが健康的で良い、というところもある。中東のおっさんが、日本の女性は体形に安定感があって良い(!?)、とテレビか何かでいっていた。それって、誉めてないよ、と思ったりもしたが、それだけ価値観なんて時と場所によって全然違うということか。

ちなみに、平安時代の美男子は今の、天皇家の皇太子みたいな顔立ちの人だったらしい。源氏物語の光源氏とかは、キムタクや坂口憲二みたいな顔じゃなかったってことだ。時代の価値観が変わるのを待つか、整形してでも自分の顔のほうを変えるか。実に深い哲学的命題だ。

二重帳簿がいるなあ

投稿者 by d-fan at 11:44 / カテゴリ: BOOK / 0 コメント

会社にお金が残らない本当の理由
岡本 吏郎 (著)
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・パソコンは税法上、4年とか5年とかで償却することになっているが、実際には1年で使えなくなることも多い。つまり、経理上の数字と実際の数字は違うことが多いということだから、その点を気をつけなければならない。

・社長の給料は、従業員の給料と違って、節税のために別の口座にいったん移したようなものなので、全部使っていい、というものではない。特に、中小・零細企業の社長はその点を気をつけること。

・アメリカではこういった点から、税務署に提出する財務諸表と、仕事で実際に使う財務諸表の2つの財務諸表を作っている場合が多い。日本では、そういうことをしている会社はほとんどない。

この本では、こういった内容を紹介しながら、会社にお金が残らない理由を説明している。


実は、ここしばらく、仕事で経理のソフトをこつこつと作っています。一般に売られている経理ソフトでは出力できない、会社独自の内容を表示できるような経理ソフトを作ってくれ、というケッタイな要望に添うために、ここ2週間ばかり苦労しているんですが、どうもこの本を読んで以来、2重帳簿がつけられる機能が必要な気がしてきました。

なにせ、税務署に提出するような財務諸表と、現実を把握するために必要な財務諸表は別物だ、ちゅー話なんですから・・。


でも、本当に作るとなると、けっこう面倒くさそう。多分、実際にはつくらないだろうなあ。あったら便利なんだろうけど。

ああ、だれか、代わりに作ってくれないかしら。2重帳簿機能がある経理ソフト。きっと、受けると思いますよ。まあ、ネット上のどこかにすでにあるかもしれないから、ちょっと調べてみますけど・・。