2004年 5月 30日

マーケティングは心理学だ!

投稿者 by d-fan at 11:58 / カテゴリ: マーケティング / 0 コメント

超心理マーケティング!―デフレ時代の逆風でも必ず勝てる モノが売れない時代に勝つ!
鈴木 博毅 (著)
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商品を売りたい。もし、そう考えたとき、最も重要なことは何か?

商品力?値段?立地?広告?アフターフォロー?


まあ、これに関しては、人それぞれ、違う考えがあるだろう。ただ、私は最近、密かにこう思う。もっとも重要なことは「心理学」ではないか、と。

ご存知のように、今、日本はとーっても不況だ。リストラ、倒産、失業率の増加、年間3万人を超える自殺者、と新聞・テレビからは暗くなる話ばかりが聞こえてくる。おそらく多くの人が、先の見えない不透明な状況の中で、なんだか悶々とした閉塞感を感じているんじゃあないだろうか?。(ま、最近でこそ、少しだけ株価が上がったり、デジタル家電が売れたりして、良くなりつつあるみたいだけど。)

こんな状況のなか、お店や企業は思いっきり売上不振に陥っている。いや、むしろ売上が下がるぐらいならまだましな方で、倒産する企業も珍しくない状況となっている。かなり多くの企業が売れない・儲からないという平成不況の中で必死にもがいている、といっても過言ではないだろう。それぐらい今の状況は、企業にとって苦しい環境であるといってもいい。


「いったいどうしてこんなに売れない状況が出来てしまったか?」
こんな質問をすれば、きっと多くの方は次のように答える方が多いのではないだろうか?

いわく、
「デフレで、商品の値段が上がらないために、みんなが買い急がなくなったことが、モノが売れない原因だ。」
「小売店の数が多すぎて、競争がますます激化しているから、売上が伸び悩んでいるのだ。」
「中国の台頭で、日本の競争力が失われたことが今の不況の原因だ。」
「日本政府や地方公共団体が700兆近い借金を背負って公共事業ができなくなってきたからだ。」

まあ、人それぞれ言うことはバラバラですが、だいたいこういったことが理由にあがってくるだろう。もちろん、こういったことが現在の不況の原因を形作っている一因であることは確かなので、何も考えずに聞いていれば、思わず納得はしてしまいます。

しかし!

本当のところ、多くの企業が売上を伸ばせない最も大きな理由はこういったものとはもっともっと別の部分にあるのではないだろうか?みんながうすうす気が付きながらも、手を打てないでいる理由が。そのために多くのお店や企業が「売れない・儲からない」といっているといってもいいと思うのだが・・。

では、いったいその理由は何かといえば、ズバリ、それは・・


それは・・・


「みんなが物を欲しいと思わなくなったこと。」

そう。こんなシンプルで当たり前のことこそが、実は今、多くの企業の売上が伸び悩んでいる最も大きな原因であるような気がする。


何でも、いま、アンケートを実施して、「あなたは今欲しいものがありますか?」という質問をすると、「特にない。」という答えがぶっちぎりで一番になるんだそうだ。しかも、それに続いて、「癒し」だの、「愛」だの、「時間」だの、「生きがい」だのと、形のないものばかりが上位にあがってくるんだそうで、要するに、現代日本人の多くは、あまり強い物欲を持っていないということを示しているわけ。

一方で、同じ質問を経済発展著しい中国人の方たちにすると、「携帯電話」「マンション」「大型ディスプレイテレビ」などとモノの名前が次々に挙がるらしい。つまり、高度経済成長期の日本人が「車」や「クーラー」などを欲しいと答えていたようように、彼らはいま物欲を満たすことが幸せになっているわけだね。

当然、この「気持ち」の部分でこれだけ差があっては、今の日本でお店の売上が下がるのも仕方がないことだといえるだろう。つまり、多くの人が「欲しい」という感情を持っていないのだから、モノが売れないのも当然なのだ。

だから、本気で「売上を増やしたい」と思っていたり、「商品を販売したい」と思っているのならば、まずはお客さんとなる人に「欲しい」という感情を持ってもらえるような工夫が必要になるのではないだろうか?相手が「欲しい」「手に入れたい」という感情を持ってはじめて、売り手は商品の販売といったことにつなげることができるのだ、と思う。

イトーヨーカ堂の経営者、鈴木敏文氏は「現代の商売に必要なのは経済学ではなく、心理学だ!」といっています。消費税が5%に上がったとき、イトーヨーカ堂はすかさず、「消費税還元セール」を行って大成功を収めたが、これは、消費税が上がってみんなの気分が盛り下がっていた時期にタイミングよく行われたことが、多くの人の気分を盛り上げて消費につながった典型的な例であり、まさに心理学の世界だ。

100円ショップのダイソー。不況の中で売上絶好調の企業。マスメディアでは一個100円という価格がデフレ経済下にマッチしたために成功した、といわれていることが多いが、ここの社長さんは「あくまでウチが成功したのは、価格ではなく『主婦のゲームセンター』といわれるように『選ぶ楽しみ』をできるだけ提供しつづけたことにある」といった趣旨の発言をしており、ここでも重要なのは「選ぶ楽しみ」という心の部分に着目した戦略の存在だといっていい。

関東で有名なディスカウントストア「ドンキホーテ」。ここも深夜時間帯のマーケットを開拓したことが成功の要因などと語られることが多いのですが、実際には圧縮陳列と呼ばれる商品の見せ方や、現場に大幅な権限委譲をすることで実現した「感性」重視の品揃えが本当の成功の要因だったことはよく知られている。

そのほか、本屋に行けば、
神田 昌典「エモーショナル・マーケティング」
小阪 裕司「ワクワク系マーケティング」
藤村 正宏「エクスペリエンス・マーケティング」
といった具合に、いろいろなマーケティング方法を説明する本が売っているが、どれも結局のところ、「人の心」にどうすれば訴えられるのか?という話について、解説している。

そう!つまり、「心理学」「人の心」に着目した上で、戦略を立てることは現在、そして将来において、やっぱり殊のほか重要であるのだ!


今後、インターネットで商品を販売するのであれ、実際のお店で商品を販売したりサービスを提供するのであれ、戦略構築の段階で「人の心」の部分を考慮に入れていなければ、間違いなくコストだけはかかったけれど成果にはつながらないなんてことになるだろう。逆に、人の心をどうやれば捉えられるのか、をよく考えた上で、仕組みを作っておけば、かなり楽になることは間違いないだろう。

ならば、「心理学」を多少なりとも勉強して、マーケティング活動に生かしてみることが重要なのではないだろうか?そして、心理学を使ったマーケティング、人の心に訴えかけるマーケティング、そう、「心理学マーケティング」を学ぶことがその第一歩になるのではないだろうか?


ふとそんなことを思ったりする今日この頃です。



(今日の一言。というか1シーン)
「みーんな、プーマのスポーツシューズ買ってもらってるんだから。」
「みんなってだれェ?」
「かこちゃんだべ、めぐちゃんだべ。それからやっちゃんにのんちゃん。」
「ほーれ、たった4人でねぇーかぁ。」

                         by   おもいでぽろぽろ


2004年 5月 29日

あなたの知らない法則

投稿者 by d-fan at 14:01 / カテゴリ: マーケティング / 0 コメント

世の中には実にいろいろな法則がある。今回は、そんな法則をいくつか紹介してみることにしよう。


このブログのメインテーマ(であるはず・・・)のマーケティングの世界の法則。

・アイドマ(AIDMA)の法則
「人は、Attention(注意)→ Interest(関心)→ Desire(欲求)→ Memory(記憶)→ Action(行動)の順に消費行動を行う」という法則

・パソナ(PASONA)の法則
「対象顧客が抱えている問題点(プロブレム・P)を明確化し、その問題点をさらにあぶり立て(アジテーション・A)、問題の解決策(ソリューション・SO)を対象や条件を絞り込んだ(narrow down・N)上で提示すれば、顧客のアクション(A)を引き出せる。」という法則

・ランチェスターの法則
「武器の性能が同じであれば、必ず兵力数の多い方が勝つ。」 よって、
「弱者は(1)ニッチで(2)ライバルのいない(少ない)分野を、(3)手の内を読まれないようにしながら、(4)重点的に、かつ(5)接近戦で戦え。」という法則

・パレートの法則(別名2:8の法則)
「全顧客の20%が全体売上の80%を占める」
「100人の人がいれば、そのうちよく働くのは20%だけ」という法則。

・1:5の法則
「新規顧客に販売するコストは既存顧客に販売するコストの5倍かかる」という法則

・5:25の法則
「顧客離れを5%改善すれば、利益が最低でも25%改善される」という法則

・ハインリッヒの法則(1:29:300の法則)
「1件の大きな失敗の下には、29件の中くらいのミスがあり、さらにその下に300件小さなミスが存在している」という法則

パーキンソンの法則
「人がいることが新たな仕事を生み、管理組織が限りなく肥大化する」という法則。実際の仕事の量や、仕事の難しさとは何の関係もなく、役人の数は増え続ける、ということから提唱された法則。


最近個人的に思う法則

・ユニクロの法則
「ユニクロの店にやって来る人のうち、7割はユニクロの服を着て来店している」という法則。結構あたっていると思いますが・・。

・日本の100人の法則
「雑誌などでよくある『日本の将来を背負っていく100人』などの企画に取り上げられた100人のうち少なくとも20人は5年後には消えている」という法則

・サッカー選手、うまい選手はくせ毛の法則
「中田・中村・小野といったテクニックのある選手はみんなくせ毛だ、という法則。中田はくせ毛がいやで、いつも短くしているらしい。柳沢が持っている才能のわりにいまいち活躍しないのは、直毛のせい?」

・黄金の法則の法則
「なんでもかんでも、『黄金の法則』とか『黄金のセオリー』とつけておくともっともらしく見える」という法則
(例・心理学マーケティング黄金の法則、合コンで彼女をゲットするための黄金のセオリー)


日本で一番有名な法則

・フレミング両手の法則


京都ビジネスが人気

投稿者 by d-fan at 13:55 / カテゴリ: マーケティング / 0 コメント

今、京都ビジネスが人気なのだそうだ。

京都ビジネス。ま、わかりやすく言えば、商品名に「京都」を入れたり、京都の伝統文化を取り入れた商品を販売したりするビジネスのことだ。

私は、しばらくの間、京都市に住んでいたために(生まれも育ちも京都府だし)、「京都」ブランドのありがたみを感じることは正直あまりない。だが、やっぱり、他の地域の人にとっては、「京都」という言葉には、何かしら心惹かれるものを感じる人が多いようだ。G・Wの観光地の検索でも1位のキーワードは「京都」だったし、最近の「和」ブームも手伝って、京都を感じさせる商品は百貨店などでも売り上げ好調だということだ。

いや、なんともイメージの力というか、ブランドの力というものは、恐ろしい・・・。

はっきり言って、京都は盆地ということもあって、決して気候的にすみやすいところとは言えない。しかも、京都市の市長はMKタクシーがバスを走らせようとしたら「規制緩和悪用の典型」と批判してしまうところだ。(ちなみに、京都は政令指定都市の中でもっとも公共交通機関の料金が高いらしい。しかも、僕が高校生の頃、つまり10年以上前から、バスの運転手の対応が悪いと批判が殺到していたり、赤字が大きすぎると問題が新聞によく取り上げられていたけど、今も全然改善していない。)

それでも、多くの人を惹きつけてしまう「京都」の力。大学が、「京都」を大学名につけたらいきなり志願者数が前年の3倍になってしまった、なんて話もある。案外身近なところでも、この京都パワーを使ってみるのはいいかもしれない。

たとえば、「京都ブログ」なんてブログを作ってみたらどうだろうか?京都のいろいろな場所や秘話を紹介していくブログだ。「グレート・マーケティング・マスターへの道」というこのブログなんかよりも、全然人気のブログになりそうな気がする。

まあ、いろいろと応用はありそうだが、「京都」ブランドの力はすごい、という情報は抑えていておいて損はないだろう。

起業のアイデア

投稿者 by d-fan at 13:49 / カテゴリ: マーケティング / 0 コメント

今、「起業」がブームだ。

このブログのトップページでも、起業関連のブログのリンクを張っているが、流行の「週末起業」もそれなら、本業の他に副業をして1万でも、2万でも稼ぎたい、と思っている人が増えているのもそれ。定年でリタイアした人が、第二の人生として始める起業やら、主婦が家事の片手間に始める起業やら、学生が勢いだけで始める起業も含めて、今、起業したい人は確実に増えている。

で、その流れに沿って、今、全国各地で起業塾のようなものも、また同様に増えているわけだが、実はそこで今、困った問題が発生しているらしい。

なんと、そこにやってくる人たちのうち、かなり多くの人が、「わたし、何を扱って起業すべきなのかわからないんです。」と発言する、というのだ!

何を扱って起業すべきなのかわからない・・。それでいいのか?という気は確かにする。本当は、これを多くの人に広めたい、とか、この技術を使って○○を成し遂げたい、という気持ちがあって起業したほうがいい、というのが事実だろう。

でも、わからないものは仕方ない。「とにかく起業したい」とか、「少しでも収入を多くしたい」という気持ちが先にあって、それをきっかけに始めたとしても、それそれで全然ありかもしれないし、目くじらを立てることではないのかもしれない。

で、それなら、この際、起業する際のアイデアの出し方を、少し考えてみることにしました。多少は参考になる人もいるかもしれないですが、ま、私個人の思いつきレベルのたわごとと思って聞いてやってください。

一般に、起業する際に最も成功率が高い方法は?といわれれば、それは「自分が関係した分野と同じ分野で起業することだ。」と昔からいわれている。

例えば、飲食業界で働いていた人は、飲食業で起業することがもっとも確実に成功する可能性が高い、ということだ。

確かに、すでにその業界の仕組みや用語を知っていて、しかも、その業界の抱える問題点を解決するアイデアをもって起業すれば、全くその業界のことを知らない人よりは有利に立てるだろう。明らかに、無駄な遠回りをしなくても済むし、人脈や経験がある分、スムーズにことも運べる。

しかし、当然のことながら、全く別の分野で起業したい、と思っている人にはこの考え方は、使えない。必ずしも、同じ分野で働きたい人ばかりでもないし、石炭業界などの斜陽産業や重厚長大産業に勤めていた人などには、あまり使えそうにない考え方でもあるだからだ。

では、次にどうすればいいのか?と問われたとき、よく言われるのが「好きなことで起業しよう!」という考え方。

自分が好きなことなら、夢中になることもできるし、詳しい知識を持つことが容易でもある。現代のように、お客さんの方が商品のことについて詳しいことも多い時代には、単に「商品を右から左に動かすだけでよい」なんて考えでは通用しないので、その分野について詳しい専門知識を持つことが容易な「自分の好きなことで起業する」という考え方は、結構、みんなが納得できる考え方だといえるだろう。私も、コレでいけるのならそれに越したことはないと思う。

ところが、実はこの考え方にも落とし穴があるのだ。たとえば、いくら自分が好きでも、対象としている市場が小さ過ぎる、という場合や、趣味でやっているうちは好きだったけれど、仕事になった途端に苦痛になるという場合があるのだ。自分の好きなことというのは、たいていの場合、自分にとってはものすごく価値があることだけど、他人にとっては結構どうでも良いことである場合が多い。また、ついつい近視眼的になって、お客さんのことなど考えずに、ついついわが道を追求しすぎて、暴走してしまったりもすることもある。

そもそも、自分では「嫌いだ。ぜったいやりたくない」と思っていたことが、やってみると一年もしないうちに「これは天職だ」と思うこともあれば、「これこそ私向きの仕事だ」と思っていたことが、いざやってみると実はぜんぜん好きでもなんでもなかった、という場合もあるので、必ずしも自分の好きなことで起業することが良い、ともいえないのだ。

では、いったいどうすばいいのか?

そこで最近、私が「これは」と思う方法が、「自分の欠点を元に考える起業」という方法だ。これは、案外使える方法なのではないかと思う。

例えば、まず始めに自分の欠点を挙げる。私の場合なら、

・悪筆だ
・話上手ではない
・背はあまり高くない。
・アトピー体質だ

などなど。うーん、欠点ばかりだ。鬱になりそう・・・。ま、いいけど。

で、これに対する解決策を考える。

・悪筆だ         →より簡単に悪筆を直せる強制器具?
・話上手ではない    →これまでの話し方教室を越える新しいタイプの話し方トレーニング
・背はあまり高くない。  →成長ホルモンの分泌を促す注射・サプリメント?
・アトピー体質だ     →体質改善ができる食事を出すレストラン


まあ、こういった感じで自分の欠点を挙げてはその解決策を考えてく。すると、そのうち、これは!というアイデアが出てくるものなのだ。悩んでいる人が1人いれば、同じことで悩んでいる人が世の中には1000人はいる、といわれているから、この方法によって起業すれば、自分の悩みを解決できて、他人の悩みを解決して喜ばれて、しかもお金がもらえることになる。これは素晴らしいことではないだろうか。下手に「好きなことで起業!」という考え方を実践するよりは、より具体的効果を期待できるような気がします。

最初にも言ったように起業したい人は増えている。終身雇用も崩れ、いきなりリストラされることも珍しくなくなった以上、今後も副業程度の起業を含めて、起業したい人は増えていくだろう。

そんな時、自分がどんなアイデアで起業していくのか困ったら、上のような方法でアイデアを出してみてはいかがだろうか?こうやって出てきたアイデアを実践していけば、きっと他にはないアイデア、自分が進んでいく道、が見えてくるだろう。

さて、あなたが起業するとしたら、いったいどんな方法でアイデアを考えますか?いろいろあるだろうけど、上の意見なんかも参考にしてトライしてみてください。

(今日の一言)
久しぶりにビジネス系のことを書こうとしたら、筆、というかキーボードが全然進まなかった。ネタ系のことばっかり書いてるからか?くそー、精進せねば・・・。

情報起業家かつ社会起業家のように行動する人たちに注目
All About Japan の起業・独立開業
華子さんの起業物語

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売り場の棚の心理学

投稿者 by d-fan at 13:47 / カテゴリ: マーケティング / 0 コメント

人間の心理は微妙だ。些細なことで、気分は大きく変化する。雨が降ってはテンションが下がり、満月になると事故率が高くなる。ちょっと誉められると有頂天になり、些細な失敗で「ああ、なんて私は不幸なんだ!」と思い悩んでしまう。ホント、人間の心理というものは微妙で、複雑で、難しい。

マーケティングは心理学だ!、「映像の原則から学ぶ人間の心理でも多少述べたが、ビジネスにおいてもこの人間の微妙な心理は大きな問題となる。ほんの些細なこと、小さなことが後々大きな売上の差となってしまうことは決して珍しくないからだ。

例えば、スーパーなどの棚で、商品が

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のように、後ろ向けに商品が並んでいると、人はその商品に手を伸ばすことがなくなる、という原理を知っていますか?

案外、単純なことではあるが、人というのは単に商品が裏側を向いていたり、ラベルが見えなくなるだけで、その商品を手に取らなくなるのだという。

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(表なら人は手を出す。でも、裏なら手を伸ばす人が極端に減る。)

スーパーなどの店員の重要な仕事のひとつに、並んでいる商品を常に表が見えるように整える、という仕事があるが、あれはこういう理由のためにやっていることなのだ。わざと商品を裏向けに並べていく客はいないが、一度手にとって商品をじっくり見た後、戻すときに後ろ向きに返す人が必ずおり、それを放置しておくと確実に売上が減ってしまうので、店員は絶えず陳列棚をチェックして、必ず表向きになるように戻さなければならないのだそうだ。


マーケティングなどを勉強すると、ついついCRMだの、CSの向上だのとマーケティング用語ばかり詳しくなりがちだ。でも、実際の現場では、こんな些細なことが売上を左右してしまう。ごちゃごちゃとカタカナ用語使う前に、こういう当たり前だけど使える知識を学んだほうがいいのかもしれない。

人間の心理は難しい。再びそう思う今日のこの頃であります。