2004年 5月 30日

「映像の原則」(富野 由悠季・著)から学ぶ人間の心理

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映像の原則―ビギナーからプロまでのコンテ主義
富野 由悠季 (著)

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作者はご存知、ガンダムの監督。「機動戦士ガンダム」から始まるガンダムシリーズの製作を行う過程で身につけた演出技術や知識をいろいろと紹介している。



例えば、人は心臓のある左から来るものには警戒心を抱きやすく、右から来るものには割と寛容であるんだそうだ。そのため、演出上、敵キャラは左から登場させ、味方は右側から登場させることが多いらしい。確かにいわれてみれば、吉本興業の新喜劇などは、身内が舞台右側から登場し、外部からやってきた人は舞台左側から登場している。知っている人には当たり前、知らない人には衝撃的な事実だといえるだろう。マーケティングは心理学だ、人間の心理や特性を知らないと今後はやっていけない、という説を唱えている私としては非常にためになる知識だった。


そういえば、マーケティングにも、同じような話がある。例えば、スーパーやショッピングセンターは大抵の場合、左回りに設計されているが、あれは100メートル走とかスピードスケートとかと同じで、人間は心臓のある左側に回りやすく、その逆の右に回ると気持ちが悪くなるため、ああいう風に設計されているのだそうだ。気持ちのいい空間は滞在時間が長くなり、滞在時間が長いと売上が増える、というデータがある。だから、左回りに設計すればそれだけで売り上げがあがるわけだ。

はっきり言って、右回りに設計するのも、左回りに設計するのも基本的に手間は同じ。でも、結果は大きく異なってしまうというわけ。これも、上記の演出技術と同様に、一種の人間の特性を知った上での演出技術ではないかと思うのだが、どうだろうか?

富野氏いわく、「最近はこういった最低限の演出の知識を知らない若手アニメーターが多いため、平気でありえない構図の絵を描いてくる。」ということだそうだが、マーケッターやデザイナーにも同じことが言えるだろう。WEBデザイナーなどははついついFLASHアニメーションなどを使って、とにかくカッコよく、とかやりがちだけれど、それだけではうまくいかない。人間の特性や心理をよく理解した上で、演出や設計を行うこと。これこそが、今後さらに重要性を持つことは間違いないだろう。



(今日の一言)
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