2004年 5月 29日

売り場の棚の心理学

カテゴリ: マーケティング / 0 コメント

人間の心理は微妙だ。些細なことで、気分は大きく変化する。雨が降ってはテンションが下がり、満月になると事故率が高くなる。ちょっと誉められると有頂天になり、些細な失敗で「ああ、なんて私は不幸なんだ!」と思い悩んでしまう。ホント、人間の心理というものは微妙で、複雑で、難しい。

マーケティングは心理学だ!、「映像の原則から学ぶ人間の心理でも多少述べたが、ビジネスにおいてもこの人間の微妙な心理は大きな問題となる。ほんの些細なこと、小さなことが後々大きな売上の差となってしまうことは決して珍しくないからだ。

例えば、スーパーなどの棚で、商品が

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のように、後ろ向けに商品が並んでいると、人はその商品に手を伸ばすことがなくなる、という原理を知っていますか?

案外、単純なことではあるが、人というのは単に商品が裏側を向いていたり、ラベルが見えなくなるだけで、その商品を手に取らなくなるのだという。

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(表なら人は手を出す。でも、裏なら手を伸ばす人が極端に減る。)

スーパーなどの店員の重要な仕事のひとつに、並んでいる商品を常に表が見えるように整える、という仕事があるが、あれはこういう理由のためにやっていることなのだ。わざと商品を裏向けに並べていく客はいないが、一度手にとって商品をじっくり見た後、戻すときに後ろ向きに返す人が必ずおり、それを放置しておくと確実に売上が減ってしまうので、店員は絶えず陳列棚をチェックして、必ず表向きになるように戻さなければならないのだそうだ。


マーケティングなどを勉強すると、ついついCRMだの、CSの向上だのとマーケティング用語ばかり詳しくなりがちだ。でも、実際の現場では、こんな些細なことが売上を左右してしまう。ごちゃごちゃとカタカナ用語使う前に、こういう当たり前だけど使える知識を学んだほうがいいのかもしれない。

人間の心理は難しい。再びそう思う今日のこの頃であります。

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