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職場活性法その4.「お互いを誉めあう日・感謝する日を作る」

アメリカで行われた実験の結果、人は誉められたり、「ありがとう」などの感謝の気持ちを伝えられたりすると、脳内に快感を感じる物質が作られて、多額の報酬をもらったときと同様に、やる気を高めたりすることがわかったのだそうです。


しかし、日本人の多くは小さいときから減点主義の中で育ち、失敗すると責められますが、結果を出したり、上手くものごとを進めても、あまり大きく誉められることがありません。


また、改めて感謝の気持ちを他人に伝える機会も、それほど多くはないと思います。(身近なところにいる人たちに対しては特に)


職場では、何か部下がミスをした場合には烈火のごとく怒り出したり、何時間も小言を言い続けるのに、逆に部下が何か結果を出した時には、軽く「よくやった」程度にしか誉めない上司というのは珍しくありません(給料をもらっているのだから、結果を出して当然だ、と全然誉められないこともあります)。


しかしながら、これではやはり人は次第にやる気を失ってしまいます。


また、「お前はここが悪い。」とか、「ここを直すべきだ!」といったことを延々部下に注意し続ける上司もいますが、これは言っている本人は相手のためにも良かれと思って言っているのだとしても、注意され続けている部下の方は、次第に心が折れてやる気を失ったり、反発して逆に意見を聞かなくなるようになることが多々あります。


そうではなくて、「君はここが良いけれど、○○を直せばもっと良くなるよ!」という具合に、誉めて相手の自尊心や向上心を高めながら、欠点の改善をさせる方向に持っていった方が、今の時代、結果的に上手くいくことが多いようです。


とにかく、日本では人を誉める機会が少ないし、また、改めて感謝の気持ちを述べる機会も恥ずかしさもあってか少ないと思います。ここは、もっと意識的に「誉める機会」「感謝の気持ちを伝える機会」を増やすことがで、個々のモチベーションが高まるようにすることが望ましいでしょう。


それが、離職率を減らしたり、やる気を高めたりする上でも、非常に効果的であると思います。


そこで、以下のような方法を使って、お互いを誉めあう機会・感謝を伝える機会を増やすようにしてみてはいかがでしょうか。


月に1度はお互いの長所や良いところを言い合う「誉めあう日・感謝を伝える日」を作る。


月に1 度は「お互いを誉めあう日」「お互いに感謝を伝える日」というものを作り、その日に、お互いを誉めあったり、感謝を伝えたりするようにしましょう。


人は、普段の生活の中で、なかなかお互いを誉めあったり、感謝を伝えたりすることができません。お互いを誉めあったり、改めて感謝の気持ちを伝えたりするのは、恥ずかしかさもあってか、なかなかできないものなのかもしれません。


でも、心の中でいくら感謝したり、誉めたいと思っていても、実際に声に出して伝えないと相手には伝わりません。それ故、きちんと声に出して相手に伝える機会が必要だと思います。


いくら「お互いをもっと誉めあおう」といっても日本人はなかなか実行することが出来ないので、「誉めあう日」「感謝を伝える日」というのを意図的に設定してあげた方が、スムーズにこういったことを実行することができるのではないかと思います。


月に1 度でもこういった機会があると、誉められることが意外と少ない日本では、一人一人のモチベーションが大きく高まるし、お互いの結びつきも強くなります。また期待に応えようと、さらに張りきって頑張るようにもなる効果もあります。


早速、試してみましょう。


周りの誰かが結果や成果を出したときには、
「彼は今日、○○を受注しました!みんなで誉めてあげましょう!」
「彼女の今日のお客さんへの対応は素晴らしいと思います!」
という
メールを職場のみんなに出して知らせるというルールを作る


何か良い結果・成果を出したときに、近くにいる1人2人だけが誉めるのではなく、職場のみんなでその人を誉めたり評価したりする方が、当然、誉められた人は、1人2人に誉められたときよりもよりうれしいし、さらに頑張ろうという気持ちになります。


そこで、誰かが結果や成果を出したときには、その周りにいる人間が、そのことをメール等を使って職場のみんなに出して知らせるようにしましょう。そうすれば、当然、多くの人がそのことを知り、結果を出した人を誉めるようになります。


こんなことでも、1人1人のモチベーションアップには非常に効果的であるとのことです。


企業によっては、結果を出した人はもちろんのこと、メールで「あの人を誉めてあげましょう」と知らせる回数が多い人も表彰することで、お互いを誉めあう機会を増やし、それによって職場のモチベーションを高めようとするところもあるとのことです。


こういう方法でも、「誉める機会」を増やし、おのおののモチベーションを高めることが出来ます。


サンクスカード」。何か感謝することがあったら、必ず「○○をしてくれて、ありがとう」と紙やカードに書いて渡すようにする


「ありがとう」という感謝の気持ちや誉められたときの言葉は、ただ言葉で相手に伝えるよりも、手紙などの「形」になるもので渡したときの方が、相手の心により強く響きます。また、形で残るものなら、誉められたり感謝を伝えられたときの喜びなどが、言葉で言われたときより長く持続します。


そこで、何か感謝することがあったりしたら、必ず「○○をしてくれて、ありがとう」ということを書いた紙かカードに書いて渡す、という制度を作りましょう。


紙やカードという形に残るものなら、誰が誰をどれだけ誉めたのか、を後で調べることができるので、だれがたくさん誉められているのか、だれがたくさん誉めているかを把握することも出来ます。


それらを元によく誉められている(カードを渡されている)人や、誉めている人(カードを渡している人)を表彰し、一方、カードを渡していない人(つまり、あまり人を誉めたり、感謝の言葉を伝えていない人)からは罰金を取る・・・といった方法をとれば、よりお互いが誉めあうようになるのではないかと思います。


とにかく、人は誉められたり感謝されたりすれば、モチベーションが高まったり、結びつきが強まったりして、さらに期待に応えようと次からさらに張り切って物事に取り組むようになります。この「サンカスカード」のような紙やカードを渡す仕組みを導入するのも、効果的なのではないかと思います。


・・・と、こういったことをやって、お互いを誉める機会・感謝を伝える機会を増やしていけば、結びつきも高まるし、職場の活性化にもつながっていくことでしょう。


最初は気恥ずかしいこの「誉めあう」「感謝を伝える」という行為も、やっていけば癖になるし、なによりお金をかけずに職場の活性につなげることが出来ます。


お互いを誉める機会・感謝を伝える機会を増えるような仕組みを作る。


こういうことも、職場のモチベーションを高めたり、チーム力を高めたりするのには重
要なことだといえるでしょう。


(追記)
なお、「お互いに腹を割って、率直にお互いの欠点を指摘しあい、改善点を探す日」のようなものを作ったりするのは、特に職場の人間関係が上手くいっていないときは、できるだけ避けた方が良いと思います。


というのも、人は「どんなに悪く言われても構わないから、私の直すべきところを率直に言ってくれ」と他人に頼んでも、本当にあれこれ自分の欠点を言われたりすると、心が傷つき、モチベーションが大幅にさがってしまうことが少なくないからです。


また、「そんなことを心の底で思っていたのか!!」と、改めて自分の欠点を指摘されたことで、逆に相手に対して強い不信感のようなものを抱いてしまうことも珍しくありません。


それ故に、よほどお互いの親近感や信頼感が高まった状態でないと、この方法は職場の人間関係の崩壊につながりかねないので、避けた方が良いでしょう。


まずは、「誉める日」を作って、お互いを誉めあう、というところからスタートしてください。それの方が、各人のモチベーションも高まるし、モチベーションが高まった結果、欠点部分も改善される、ということにつながることもあり、効果的だということです。


(追記2)
サンクスカードのような相手に感謝を伝えるカードや相手を誉めるカードのようなものは、相手の心に言葉だけで伝えるよりも強く響くし、効果も持続するといいましたが、ということは相手に手紙などを使って欠点を指摘したり、けなしたりするような内容のものを送ってはいけないということになります。


言葉で注意したりするだけの場合と違い、欠点を指摘したりするようなものを手紙のような形で送ると受け取った人は必要以上に悪く自分のことを言われているように感じます。しかも、その効果が言葉で言われただけの場合よりも持続するため、次第にその手紙を受け取った人は強い怒りを感じたり、その手紙を書いた相手に恨みを抱いたりするようになります。


これでは人間関係の悪化につながるので決して良くないでしょう。


誉めたり、感謝したりする場合は手紙のような形に残るもので、欠点を指摘したり注意を促したりする場合は言葉で。


これは絶対に覚えておく必要がある法則だといえると思います。