地域おこしの成功の裏にも、やはり「心理学マーケ」の存在があった!

★日本中のいたるところで行われている町おこしや村おこし。
 
★しかし、それらは大きな効果をあげることがなく、失敗することが
 多いといいます。
 
★ところが最近、そんな中で帯広で行われている地域おこしが大きな成果を
 上げて注目を集めています。

 街の中心街に作られた「北の屋台」と呼ばれる屋台街が、地元の客は
 もちろんのこと、観光客も集め、話題になっているとのことです。
 
 
★日本中で行われている多くの地域おこしの企画が上手くいっていないという
 のに、いったいどうしてこの帯広の取り組みだけが大きな成果を上げたので
 しょうか?
 
★実は、その成功の裏には、やはり、言われてみれば当たり前、でも言われて
 みないと気がつかない「心理学マーケティング」
の存在がある、とのこと
 です。
 
★それが、実は成功につながる大きな要素になったのだそうです。
 
★今回はそれを見ていきたいと思います。
 
 
1.人は猥雑なもの・非日常的なものに惹かれる性質がある
 
★この北の屋台、行ったことのある人はわかると思いますが、一見すると
 仮設の小屋のような粗末な造りで出来ており、客席部分は組立式で、
 営業が行われていない朝や昼間などはしまわれ、営業時間に再度組み
 立てるという、非常に不便なつくりになっています。
 
★実は、これは、わざとそういう不便なつくりにしてあるのだそうです。
 
★人はあまりにも完璧なものよりもどこか不完全なもの・非日常的なもの・猥雑
なものに魅力を感じでワクワクする部分
を持っています。朝は存在
していない客席が、夜の営業時間に突如現れると、人はそこに非日常性を感じ、
高揚感を覚えます。
 
★それが多くの人の関心を引くだろうと、わざとこのような不便なつくりにして
あるのだそうです。
 
★便利だからと客席を常設にすると、人は高揚感を感じなくなり、結果、屋台の
 衰退を招いてしまうといいます。実際、地域おこしの一環として屋台村を作っ
 たのにうまくいかなかった他のところは、この部分を無視していたことが実は
 原因であったと言われています。
 
★こういった一見些細なことが、実は大きな影響を与えるとは、まさに
 心理学マーケティングの世界だといえるかもしれません。
 
 
2.狭いことがお客さんとお店、また、お客さん同士の親近感を高める
 
★北の屋台は、一軒のお店がわずか3坪しかありません。しかも、そこに厨房機器
 などがおかれ、さらに狭くなっています。
 
★結果、お客さんはたくさん座れないし、トイレに行くのも自由に出来ません。
 隣の人たちにわざわざ立ち上がってもらわないと自由に動くことも出来ない
 環境になっています。
 
★実はこれも、わざとそういう風に作ってあるのだそうです。
 
★人間はパーソナルスペースといって、周りの人との間にある程度の距離を保ち、
 自分がリラックスできる(自分の身を守れる)距離を保とうとする性質がある
 といわれています。
 
★ところが、強制的に肩と肩が触れ合うような距離に置かれると、人間の脳は
 「この人は敵ではなく味方である」と判断することでリラックスしようとする
 のだそうです。
 
★その結果、お店が狭いため、初めて会ったお客さん同士でも強制的・無意識的
 にお互いに親近感を持たせることができるというわけです。しかも、トイレに
 行く際には隣の人に動いてもらわないといけないようにすることで、いやが上
 でもコミュニケーションを行わせることにもなります。それが、さらにお客
 さん同士の交流を深める効果があるので、そういう作りになっているとのこと
 です。
 
★これもまた、人間の心理を考慮した仕組みだといえるでしょう。単純なのに
 実はスゴイ仕組みといえるかもしれません。
 
 
3.でも共同トイレはキレイにした
 
★北の屋台は、各お店は仮設店舗のような感じにして非日常性を演出してあり
 ますが、中央に設けた共同トイレは、できるだけ明るく清潔で安全なトイレに
 しようと、相当大きな額を投資して作ってあるのだそうです。
 
★「女性とトイレの意外な関係」という記事で、トイレが、特に女性にとっては
 重大な関心事であり、トイレが汚いと、お店に来るのを止めることさえ
 ある
、という記事を書きましたが、いかに非日常性が楽しいとはいえ、
 現代人はトイレなどが汚く暗いのを好むことはありません。
 
★その点を意識して、他の屋台街のように、トイレを作らなかったり、近くの
 ビルのトイレを借りるような形にせず、お金をかけてでもトイレを充実させた
 ことが、この屋台街が成功する大きな要因となっているのだそうです。
 
★これも言われてみないと気がつかないけれど、実は大きな影響を与えている、
 心理学マーケティングだといえそうです。
 
 
 
★その他にも、口コミを発生させやすい仕組みなど、いくつかの仕掛けがあるの
 だそうですが、その裏には、人間の心理や性質を考慮した戦略があるとのこと。
 
★やはり、人間の隠された心理や性質をしっかりと理解した上で、物事を行って
 いくことはこれからの時代ますます重要であるのだといえそうです。
 
 
村おこし・町おこしも、成功するかどうかを分けるのは、人間の心理や
 性質を考慮した仕組みがあるかどうかが大きく関わってくる。

 
★これをよく認識した上で、さらに、そういった性質を学んでいく必要があると
 いえそうです。