★以前にも、何度か「販売員やセールスマンが売ってやろうとはり切ればはりきるほど、お客さんは引いてしまい、売れない。」という趣旨の記事を書いたような気がしますが、相変わらず、世の中には「売ってやろう」という気全開で話しかけてくる販売員などが多いようです。
★人は「強制されたくない」という気持ちや、「相手(売り手)だけが得する(つまり、自分が損する)ことに耐えられない」という気持ちを持っています。なので、「売ろう売ろう」と張り切れば張り切るほど、逆に売れなくなることが多くなるわけですが、これは売り手にとって、実に皮肉な結果といえるかもしれません。
★そこで、少しでも売上を上げるためには、いかに販売員やセールスマンの意識から、この「売ってやろう」という意識を消すかが重要になってきます。それがこれからの時代、生き残れるかどうかを分けるポイントとなるといってしまっても、決して過言ではないかもしれません。
★では、いったいどうすれば、この「売ろう売ろう」という意識を販売員の頭から
消すことが出来るのでしょうか?
★方法論としては二つあると思います。
★1つは、「企業の目標そのものを変える」という方法です。
★例えば、スターバックスとかタリーズコーヒーとかいった企業は「コーヒー文化を広め、コーヒーの真価を知ってもらう」という目標(理念)を掲げて企業活動を行っています。そのため、店員はいかにコーヒーを楽しんでもらうかに徹していて、決して「コーヒーを売ってやろう」という気全開で接客していないのです。
★それが、結果的にお客さんを引き付け、利益を増す結果となっているわけです。つまり、「売ろう売ろう」という意識がないと、逆に、売れるというわけです。
★このように、そもそもの目標を「売上を上げる・利益を増やす」ではなく、全く別の目標にすることが、「売ろう売ろう」という意識を販売員の頭から消し、逆に売上を上げることができる方法です。非常に単純ですが、逆に目からウロコの指摘だといえるかもしれません。
★企業の目的とは、もちろん、基本的に「一円でも多くの利益を上げること」ではあります。が、「売ろう売ろう」としないと、逆にその目的を達成できるとは、妙な感じですが、覚えておく必要があると言えるかもしれません。
★「売ろう売ろう」という意識を販売員の頭から消すための二つ目の方法。それは、「販売員とはアドバイザーであり、いかにお客さんが失敗しないか、損しないかを考えるものである」と定義付ける、という方法です。
★人は「強制されなくない」という気持ちと、「失敗したくない(損したくない)」という気持ちを持っていると先にも述べましたが、販売員が「売ろう売ろう」という意識を見せると、お客さんは「この人に騙されているのではないか?」と感じてしまい、買う気がなくなることが少なくないわけです。
★だから、販売員が、いかに「お客さんが失敗しないか」「後で後悔しないか」のみを考えて接するように仕向けるのです。すると、「売ろう売ろう」としているときよりも、お客さんに信頼され、結果、売れてしまうことが少なくなかったりします。
★このように、「売ろう売ろう」という意識で接しているときは全く売れず、全く別の意識で接していると、逆に当初の目的である「売上増大」が達成できてしまったりすることは、実は良くあります。
★意識を変えたり、目標を変えたりするだけで、より大きな成果を上げることが出来るようになるのだから、使わない手はない、といえるでしょう。
試してみてはいかがでしょうか?