「所有」の時代から「利用」の時代へ

★今、世の中は「所有」の時代から、「利用」「使用」の時代に移りつつあります。
 
★オフィス機器や仕事で使う車両などは買うのものではなく、リースやレンタルで使うものになっています。住居は仕事場は賃貸で借りるものであって、自社ビルや持ち家なんかなくてもいい、と考えている人が増えています。そもそも働いている人さえも、アウトソースやへ派遣社員でまかなわれるようになり、会社が雇う(所有する)もの、という考え方がなくなりつつあります。
 
★このように、世の中は間違いなく、「利用」の時代へと変わりつつあります。
 

★昔は、「所有すること」が何よりも喜びでした。
 
★車、冷蔵庫、クーラー、家・・・とにかく、物がない時期には自分の持ち物を増やすことが最大の目標でした。そして、常に欲しくなる物が目の前にありました。
 
★でも、そんな流れは、バブルがはじけ、物が身の回りに溢れるようになって、当の昔に完全に崩れ去ってしまったといえます。いまや、売れるのはブランド物のような「自分の価値を高める」物だったり、自分を満足させてくれる趣味のものや、職人のこだわりの品、そんな物ばかりです。もう、そこら辺でいつでも買える様な商品は、いくら値下げをしても売れない・・・と、そういう時代になりつつあるのです。
  
 
★そして、今後、この「所有」から「利用」という世の中の流れを理解していないとビジネスをする際にも、普通に暮らしていく際にも困ったことになるでしょう。逆に理解してさえいれば、かなり人生をエンジョイできるようになるのではないか、と思います。
 
★例えば、昔、立派な別荘に住もうと思ったら、お金を必死にためる必要がありました。頑張って、頑張って、借金してまで頑張って働いた結果、買うことができたのが別荘をはじめとした娯楽でした。でも、いまや、ホテルや旅館で設備は豪華なのに、料金はお手軽、という場所がたくさんあります。もう、別荘なんか手に入れなくても、お手軽に楽しめる場所が腐るほど存在しているのです。つまり、お金なんかなくても人生を楽しめてしまうようになったというわけで・・・。
 
★これも、「所有」ではなく、「利用」が当たり前の時代になったからこそ、現実になったことだといえるでしょう。
 
★もちろん、「いや、数日だけじゃなくて、もっともっと長い間、立派な別荘に住んでいたい」という人もいるでしょう。でも、そういう人も、「すでに別荘は持っているけど、年に何回かしか使わないので、手入れするだけで大変」という人の代わりに管理を引き受ける立場になれば、豪華な別荘に長い間住めてしまいます。つまり、すでに持っている人から「利用する」という考え方を持っていれば、なんとでもなってしまう世の中なのです、今の時代は。
 
 
★ビジネスをしようと思っている人は、今後、この流れを理解していないと間違いなく失敗するでしょう。
 
つい最近も、どこかのシンクタンクが、「このまま子供が親と同居するパラサイト現象が続いていくと、家が売れなくなり、経済にとってマイナス○兆円の損害だ」という的外れなバカ丸出しの発表をしていました。これなどは「家は所有するもの」というこれまでの価値観を引きずったまま考えた結果、間違えてしまった例といえるかもしれません。
 
★何度も言っているように、時代は「所有」よりも「利用」に重きが置かれるようになっているのです。はっきりいって、世の中の若い人はすでに、「家はすでにあるんだから、利用すればいい」と考える方が当たり前の時代となっています。
 
★だから、「いつまでもパラサイトするな」などと言っても意味がないのです。識者といわれる人も含めて、世の中の人はついつい、これまでの価値観・仕組みから将来もその延長線上に物事が進むと考えがちですが、いまや突然、世の中の構造なんて変わってしまう時代なのです(パラダイムシフト)。
 
★「このまま子供が親と同居するパラサイト現象が続いていくと、家が売れなくなり、経済にとってマイナス○兆円の損害だ」などといっていては、「いまさら何を言ってんの?」といわれても仕方がない、ということになるのです。自立してない、だとかいろいろ文句をつける人は実は、「所有する」ことが当たり前の時代を生きてきたから、そう考えているだけで、「利用する」方が当たり前の時代に育った人にとっては、ピンとこないのです。
 

★「物を所有してもらう」という考え方のまま、物事を進めていても、これからはちっともうまくいかなくなる可能性が高いです。これからは「利用してもらう」という考え方を重視してビジネスもマーケティングも実行していう必要があるといえるでしょう。
 
★オークションやリサイクルも一時的に所有した物を他の人に渡す、という点ではある意味、「利用権」を買っている現象といえます。ITの世界では、ソフトウェアはパッケージとして買うものではなく、WEB上のサービスとして使うものになりつつあります。
 
★サービス業は他人の時間を「利用する権利」を買う行為ともいえなくもない、という風に考えると、「利用」という考え方は非常に広くなってしまいますが、とにかく、時代は「所有」から「利用」の方向に進むことはあっても、当面、戻ることはないのです。これらを踏まえた上で、物事は実行していく必要があるでしょう。
 
★「所有」から「利用」「使用」の時代へ。
 
★これはしっかりと認識しておく必要があるといえそうです。