人は同じことを言われても、表現一つ違うと反応が変わってしまう。

★海洋を航行中の大型豪華客船が氷山に激突!
 今、船に乗っている乗客の数は600人います。

「もし、Aの対策を採用すると、200人が助かります。」
  「もし、Bの対策を採用すると、3分の1の確率で600人全員が
  助かりますが、3分の2の確率で誰1人助かりません。」

 
★もし、あなたが上のような2つの選択肢のうちどちらかを選ばなければならない立場だととしたら。

 さて、あなたはいったいどちらの選択肢を選ぶでしょうか?
 
 
★実は、このような質問をされたとき、多くの人は、前者を選ぶことが多いのだ
 そうです。上の方が確実に多くの人を助けられるような気がするから、前者の
 方を選ぶ人が多いのかもしれませんね。
 

★では、次の質問です。
 「もし、Aの対策を採用すると、400人が死にます。」
 「もし、Bの対策を採用すると、3分の2の確率で600人全員が死亡します
  が、3分の1の確率で誰も死なずにすみます。」

 
 という選択肢を与えられたときなら。

 さて、あなたはどちらの選択肢を選ぶでしょうか?

★おそらく、今度は後者を選んだ方が増えたのではないかと思います。そう、実は
 このような質問をされた場合、今度は、後者の方を選ぶ人が大きく増えるのだ
 そうです。後者の方がなんとなく、多くの人を救えるような気がするため、後者
 を選ぶ人が多いのかもしれません。
 
 
★でも・・・・・・


★この問題、よーく最初の選択肢と次の選択肢を比べてみてください。
 すると、実は両者は、同じことを言っていることに気がつくと思います。
 
★単に上の選択肢が「助かる」という前向きな表現・ポジティブな表現を使ってい
 て、下の選択肢の方が「死ぬ」と後ろ向き・ネガティブな表現を使っている
 だけで、上の選択肢と下の選択は同じことを言っていたりするのです。
 
★つまり、人は、言い方を変えられただけで、自分の判断を変えてしまう、という
 わけですね。
 
 
★そう。実はこのように、人間は合理的に判断しているように見えて、ちょっと
 した言い方の差や情報の与えられ方によって、判断を変えてしまうことが
 よくあります。
 
★「このラーメンは高い。でも、おいしい」と、「このラーメンはおいしい。
 でも、高い」だったら、前者の方が印象が良くなるのと一緒で、結構
 人間というものは、情報の与えられ方で、別の判断をしてしまうこと
 が多いようです。
 
 
★手紙を書くときや、メールを書くとき、ダイレクトメールやチラシなどの広告文
 を作るときなど。 あなたも、様々な場面で自分の意見を通したいと思ったり、
 相手に訴えかけたい、と思うときがあると思います。
 
★そういうとき、こういった人間の心理や性質をを知っているのと、知らないの
 では、きっと大きな差を生むことになるでしょう。
 
★であるならば、常日頃から、こういう場合に別の言い方をするならどのような
 言い方があるのか、といったことを考えたり、どのような順序で情報を与えた
 とき、よりこちらに良い印象を抱いてくれるのか、を考えたほうがいいかもしれ
 ませんね。
 
★人間は、ちょっとした表現の差で、判断そのものが変わってしまう。
 これも知っていると、どこかで役に立つかもしれません。