部下や後輩の無意識を動かす、ある方法とは?

★これまで様々な事例を紹介してきた「心理学マーケティング」。
 
★「言われてみれば当たり前、でも言われてみないと気がつかない人間の
心理や性質」に着目し対策を行えば、少ない努力で大きな成果を上げること
が出来る、ということが少しはわかってきてもらえたのではないかと思います。
 
★ただ、心理学マーケティングというものは「マーケティング」という言葉が
ついているので、ついつい売上を上げることを目的にした時にのみ使う手法だと
思われがちですが、何も売上を上げたりすることにだけ使える方法というわけ
ではありません。
 
★「言われてみれば当たり前、でも言われてみないときがつかない人間の
心理や性質」に着目して成果を上げる方法である以上、決して売上を上げる
ためだけではなく、その他、様々な分野に応用することも出来たりもします。
 
★自分の部下や後輩のモチベーションを引き上げたり、自発的に成果を上げ
られるように仕向けるのに使うこともできたりするんです。
 
 
★例えば、ある食品会社では、「食の安全」が叫ばれている中、衛生管理を
徹底しようと思っているのに、なかなか徹底出来ずにいました。
 
★張り紙をして注意を喚起しても、上司が口酸っぱく注意しても徹底されない
ため、早急に対策をとる必要が論じられていたのですが、ある日、社員全員
に白衣を着せたところ、きちんと衛生管理が守られるようになってしまったと
いいます。
 
★白衣を着ることで、無意識に衛生管理を守らなければ、という意識が働くように
なった結果、衛生管理の徹底ができるようになったというわけですが、
人間というものは、着ているものによって行動パターンまでが変わってしまう、
というわけです。
 
★人間というのはこんな単純なことでも変化してしまうわけです。
シンプルなことでも、大きく結果が変わってしまう。これも一種の心理学
マーケティングだといえるかもしれません。
 
(その他、私服のときよりスーツを着ているときのほうがミスが減る傾向がある、
など、服装が与える影響は予想以上に大きなものがあったりします。)
 
 
★また、ある飲食店のチェーンでは、雇った若いアルバイト店員があまりにも
短い期間で辞めてしまうことが多いため、どうすれば少しでも長く戦力として
残ってもらえるのかをいろいろと試行錯誤していたところ、簡易でもいいから
きちんと入社式のような式を行い、辞令を手渡しすると、アルバイト社員が
あまり辞めなくなったということに気がついたのだそうです。
 
★なんとなーくアルバイトを始めた店員は、大きな自覚や責任を感じることなく、
なんとなーく辞めてしまいます。ところが、簡単でもいいから儀式めいた物を
行うと、彼らにも自覚や責任を感じる気持ちが芽生えます。
 
★それが、結局、辞める人間の減少につながったのだということですが、一見
するとあまりにも単純なことが実は大きな結果につながるわけですから、
これも一種の心理学マーケティングだといえるでしょう。
 
★その他にも、モーツアルトの音楽を職場に流すようにしたら、ミスをする人や、
疲労を感じる人が減り、業績が向上したという話があります。
 
★モーツアルトの音楽には、人をリラックスさせる効果があることがわかって
おり、それが職場で働く人達を癒す効果があったわけですが、こういうのも、
言われてみないと気がつかない、一種の心理学だといえるかもしれません。 


★他にも「エリアマネージャー」という肩書きをつけた社員が、現場の人間に
頭ごなしに指示をすることが多かったため、人間関係のトラブルが頻発して
いたのが、「エリアサポーター」という肩書きに変えたら、トラブルが激減して
しまった、という話があったり、
 
 
★また、あるコールセンターでは、ブースの仕切りの色を無機質な白色のもの
から、カラフルな色のものに変えたら、体調を崩す社員が減った、という話も
あります。
 
 
★人間というのは極めて単純なことで大きく変化してしまうわけで、こういった
小さなことも見逃さずにおくと、大きな成果を上げることが出来るというわけです。
 
 
★今、新入社員が入社後すぐに辞めてしまった、とか、社員のモチベーションが
なかなかあがらない、といったことが世間で結構大きな問題となっていますが、
こういった問題も、実は人間の心理を理解して対策を施せば、意外と
簡単に解決してしまう可能性もあったりします。
 
★心理学マーケティングはこういう場合にも役立つ可能性がありますので、
色々と研究して応用してみると、結構使えるかもしれません。