Q.心理学マーケティングって何ですか?
★マーケティングとは「market」+「ing」。つまり、市場を作る行為のことを指しています。心理学マーケティングとは、要するに、心理学を使って市場を作る行為、ということになるでしょう。
★人間には言われてみれば当たり前だけれど、言われてみないとわからない、もしくは気がつかない心理とか隠れた性質だとかいったものがたくさんあります。
★そういった人の心理や性質をよく理解した上で、対策を施せば、何も考えずに行った施策よりも、より大きな成果を挙げることができます。心理学マーケティングとは、言われてみれば当たり前だけれど、言われてみないとわからない人間の性質や心の動きに着目して、より大きな成果を挙げることを目指した手法のことだといえるでしょう。
★例えば、ある小売店では、それまで多くのほかのお店と同様にお客さんに「いらっしゃいませ」という挨拶を使っていたのを、単純に「こんにちわ」などの普通の挨拶を使うように意識して切り替えたのだそうです。
すると、ただそれだけのこと、ただ挨拶を変えただけのことで、商品を変えたわけでもお店の内装を変えたわけでもないのに、売上が20%も上がってしまったといいます。
★これは、要するに「いらっしゃいませ」という挨拶を使っていたときは、心理的な関係が「お客さんとお店側の人間」「売り手と買い手」だったのに、「こんにちわ」などの普通の挨拶を使うようになると、心理的な関係が「友人・知人」に近い関係に変わるので、お客さんがお店の人間により親近感を持つようになり、その結果、リピート率が高まって、売上が増えたのだということです。
★一見すると単純なことですが、こんなことでさえも、結果には大きな差がついてしまうというわけです。こういうのも、一種の「心理学マーケティング」といえるでしょう。
★また、あるリフォームを行っている業者さんは、それまで新聞等に出していたチラシの色を、白地に黒い文字で作っていた状態から、黄色地に赤の文字に変えた途端、反応が3倍になった、といいます。
★これは色彩心理学の分野の話になるのでしょうが、これもまた、チラシの内容を変えるわけでもなく、広告出稿量を増やすでもなく、単純に「色を変える」というだけでも、相手の心理に強く訴えかけられる、ということを示しています。これも一種の「心理学マーケティング」といえるでしょう。
★そのほか、20%OFF、30%OFFの値段で商品を売っているときはあまり売上が伸びなかったのに、「10人に1人、料金がタダ!」というキャンペーンを始めたらお客が殺到したという量販店があります。
★「10人に1人がタダ」ということは「100人に10人が無料」ということ。それは「100人全員に10%割引」するのと実はかかるコストはそれほど変わりません。
でも、このやり方の方が20%OFF、30%OFFで商品を売っていたときよりも、はるかに多くの人を集めることが出来たというわけです。
★これは「無料」「タダ」という言葉がより多くの人の心を捉える、ということや、ギャンブル性のあるものに人は興味を持ちやすい、という性質を踏まえた上で実行されたキャンペーンだったわけですが、同じコストや手間しかかかっていなくても、ちょっとだけ人間の心理を理解したうえで対策を実行すると、大きな差がついたしまったというわけです。こういうのも一種の心理学マーケティングといえるでしょう。
★このように、言われてみれば単純なことなのだけれど、言われてみないと気がつかない・知らない人間の心理や性質を深く理解して、応用していこうというのが「心理学マーケティング」です。
★誰にでも簡単に使えるのに効果が高い方法なので、それを学んで、応用してみると、かなり役に立つのではないでしょうか?