自由と放任




オシムはジーコと同様、システムに人を当てはめるのではなく、選手に合わせてシステムを組む監督である。そういう点では、徹底してシステムに人を当てはめる戦略をとったトルシエとは対極にある監督だといえる。


しかし、ジーコとは違い、選手には常に細かい注文を出す。特に、思慮のないプレーをする選手にはかなりキツイ言葉でしかりつけることも珍しくないのだという。そういう点では、同じ「選手にあわせて戦術やシステムを考える」監督といっても、まったく別のタイプの監督といえそうだ。


ジーコは選手に対してほとんど注文を出さなかった。自分達で考えて、自分達で行動するように、とはいったものの、具体的な指示はほとんど出さなかった。


結果はW杯予選敗退。最後までチームがまとまることはなく、中田英寿も「このチームは真剣に練習したりすることが苦手」と発言するなど、集中力に欠けた状態も続き、結局、消化不良のまま終わってしまった。ジーコはなまじ、自分が優秀な選手だっただけに「このぐらいはできるだろう」と考え、具体的な指示をしなかった(というか、引き出しが少なくて指示できなかったのかも)わけだが、結局、それが裏目に出てしまった。


一方・・・・

続きを読む

(C) 2008 日々の戯言