暴騰・暴落は何故おこるのか?




以前、東京大学?だったかの研究室で、人工知能を使ってバーチャルな株式市場を再現する実験が行われ、その様子がテレビで放映されていた。


用意されたのは100人ぐらいのバーチャルな人格がそれぞれ売ったり買ったりを繰り返すプログラム。それぞれの人格が、株価や他の人格の様子を見ながら株を売ったり買ったりする。それぞれのバーチャル人格は、人間の行動に限りなく似た行動をするようにプログラムされている。


見ていると、基本的に普段は、それぞれの人格は売ったり買ったりをバラバラにおこなっている。ところが、そのプログラムは株価がある一点を超えると全員が同時に一斉に買いに走ったり、その逆に一斉に売りに走ったりしたのである。


この人工知能の実験から、どうやら、人間は状況がある一方向に急激に流れ始めると、自分で判断することを放棄して、みんなと同じ行動に走る性質があることがわかった。そして、これが株価の暴騰・暴落を生んだり、暴動や集団パニックを起こすらしい。


 
現在は、インターネットによって株式投資が簡単に出来る時代となり、個人投資家の数も急増しつつある。その分、昨日のみずほ証券のような事件かあると、パニックが起きて、大きな規模で事態が悪化しやすくなっているといえる。


コンピューター端末のちょっとした操作ミスで数百億円がふっとぶという恐ろしさだけではなく、多くの人がますます集団ヒステリック、集団パニックを起こしやすくなっている恐ろしさもあるということだ。


これをよく認識して、対策を講じておかないと、そのうち、とてつもない大事件が起こるような気がします。

(C) 2009 ちょっと為になる話