エリートの心理学 -2





それが上手く行くこともある。しかし、たいていは、自分の思い込みや知識不足、そして、結局のところ、自分にとって都合の良い理屈で作られたものが多いため、多くの人からは支持されず、否定されてしまうことになる。


すると、このルールを作った人間は、自分を否定された気持ちになるのか、激しい怒りや否定した相手への攻撃的な態度を示すことが多い。自分の方が間違っているかも、と思うことは概して少ない。」


村上ファンドの村上世彰氏が「タイガースを上場する!」とぶち上げた時、ファンから猛抗議されると、「彼らには失望した」と怒りをあらわにしたというが、これなどは「エリート意識」の高い人が、良かれと思って提案したルールが否定されて怒る、という典型的な例だといえる。


オウム真理教の教団員は世の中の不条理に悩んでいる人が集まって、少しでも良くなるようにと活動していた。時に、選挙に立候補して政治活動にも乗り出そうとしていた。が、あえなく落選すると、自分達が良いと思っていることを否定する世の中なんか壊れてしまえ!とばかりに、サリンを撒くなど破壊的行為を始めた。


当時、メディアなどでは『高学歴のエリートもたくさんいたのに、なぜこんなことをするのか?』ということが盛んに論じされていたが、『高学歴のエリート意識の高い人』だったが故に、こういうことをした、といえそうである。


あと、官庁の役人がやたらと意味不明な法律を作ったり、企業に不要なルールを課して自分達の思い通りにコントロールしようとすることが多いが、これらも『エリート意識』の高さが原因と見ると、理解できるような気がする。


 
なんとなく、納得できるような話。

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